『わたしに還る、ゼロの扉』
― 第7回 ―
たくさんのことを考えて、
たくさんの感情を抱えて、
たくさんの“こうあるべき”を握りしめて生きてきた。
でも、この連載を通して、
少しずつ…
怒りを見つめ、悲しみを受けとめ、
やさしい声を聞き、握っていたものを手放して、
わたしはようやく、静かな場所にたどり着いた気がします。
そこは、何もない場所でした。
誰の声もなく、
意味づけも、正しさも、評価もない。
でも、不思議なことに
“怖さ”よりも、“安らぎ”の方が大きかったのです。

ゼロの先には、
空っぽのようでいて、満ちている世界がありました。
呼吸の音が聴こえるほどの静けさ。
何者でもないわたしを、
そのまま受けとめてくれる余白。
そこに在ったのは、
「なにかを手に入れたわたし」ではなく、
ただ、わたしに還ったわたしでした。
ゼロとは、
足りない状態ではなく、
はじまりの場所なのかもしれません。

ジャッジも恐れもなく、
誰かと比べることもなく、
“今のわたし”のままで、未来を選びなおせる場所。
【今日の問いかけ】
ゼロの目で見たとき、
あなたがもう一度、選びなおしたいものはなんですか?
【そっと、扉の向こうへ】
人生は、いつでも選びなおせます。
感情に飲み込まれていた日々も、
自分を責めてばかりだった過去も、
ぜんぶ、ここから静かに書き換えていくことができます。
思い込みのない目で、
ジャッジのない心で、
わたしのままで、生きていく。
その一歩を踏み出したいと感じたときは、
どうぞ、そっとその扉をノックしてください。
わたしはいつでも、ここでお待ちしています。
あなたがあなたに還る時間を、共に歩んでいけますように。
【シリーズを読んでくださったあなたへ】
ここまで、7つの扉を開いてくださり、
本当にありがとうございました。
あなたの中に、
静けさとやさしさがほんの少しでも芽生えたなら、
それはもう“変化のはじまり”です。
よかったら、これからは
ゼロの視点で、わたしを生きてみませんか?