『わたしに還る、ゼロの扉』
― 第6回 ―
「あきらめたくない」
「まだ可能性があるかもしれない」
「いつか、きっと…」
そう思って、握りしめてきたものがありました。

期待、理想、信じたかった未来。
そして、「こうあるべき」というわたし自身の姿。
それらを手放すことは、
まるで“自分の一部”を失ってしまうようで、
なかなか、怖くてできなかったのです。
でもあるとき、ふと気づいたのです。
それを持ち続けていることで、
わたしは、ずっと緊張していた。
ずっと無理をしていた。
「手放すこと=負け」じゃない
「終わらせること=逃げ」じゃない
それは、ただの「選びなおし」。
ゼロの視点で見たとき、
「持っていなきゃ」と思っていたものは、
実は、もうとっくに“役目を終えた何か”だったのかもしれません。
握りしめていた手を、そっと開いたら…
そこには
「何もない」のではなく、
やっと“自分の手”が残っていたということに、気づきました。

静けさの中にあるもの。
空っぽの中にこそ、満ちているもの。
それが「ゼロ」というやさしい世界です。
【今日の問いかけ】
あなたが今、少しだけ「手放してみてもいいかも」と思えるものはなんですか?
手を開いたその先に、何が残るでしょうか?
【そっと、扉の向こうへ】
手放すのは、勇気がいります。
でも、手放すからこそ、手に入るものもあります。
安心、自由、余白、呼吸、そして…わたし自身。
カウンセリングは、
「まだ手放せない」あなたの気持ちにも寄り添いながら、
新しい余白を一緒につくっていく場所です。
あなたの“いま”に、ちょうどいいタイミングで、
少しだけ、手をゆるめてみませんか?