『ゼロの扉・続編⑤』

「ちゃんと挨拶しなきゃ」

「ちゃんとやらなきゃ」

「ちゃんと、ちゃんと、ちゃんと……」

気がつくと、

わたしの毎日は「ちゃんと」に囲まれていました。

でも、その「ちゃんと」は

いつ誰が決めたのでしょう?

学校? 親? 社会?

それとも、昔の自分?

「ちゃんと」は悪者じゃありません。

人と調和するために、

信頼を得るために、

わたしたちはそれを覚え、大事にしてきた。

だけど、もし今、

その「ちゃんと」があなたを苦しめているなら…

それは、もう卒業のときかもしれません。

ゼロの視点に立つと、

「ちゃんと」は絶対的な正解ではなく、

ただの“選択肢のひとつ”に見えてきます。

“今のわたし”に合うかどうか。

“これからのわたし”に必要かどうか。

それを、自分で選びなおしてもいいのです。

誰かが決めた「ちゃんと」より、

あなたが心から納得できる「ちょうどいい」のほうが、

ずっと軽やかで、あたたかい。

たとえば、疲れているなら、休んでもいい。

笑いたくない日は、笑わなくてもいい。

がんばりすぎた日は、がんばらなくてもいい。

そんな「ゆるさ」こそが、

あなたの自然なリズムを取り戻してくれます。

【今日の問いかけ】

あなたが今も握りしめている「ちゃんと」は何ですか?

その「ちゃんと」は、本当に“今のあなた”に必要でしょうか?

【そっと、扉の向こうへ】

完璧を求め続けて疲れてしまったとき、

「もう無理しなくていいよ」と、

自分にそっと声をかけてみてください。

カウンセリングでは、

あなたの「がんばってきた理由」に静かに寄り添いながら、

「本当はどうしたかった?」を一緒に見つけていきます。

卒業してもいい「ちゃんと」が、

あなたの心を静かに自由にしてくれますように

【次回予告:続編6】

何かになろうとしなくていい

〜ただのわたしに戻る勇気〜